○新庄村職員の懲戒処分の指針

令和3年7月16日

告示第89号

第1 基本事項

この指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

具体的な処分量定の決定に当たっては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

② 故意又は過失の度合はどの程度であったか

③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為以後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。

個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外とすることもあり得るところである。例えば、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、

① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき

② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき

③ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき

④ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき

⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき

がある。

また、例えば、標準例に掲げる処分の種類より軽いものとすることが考えられる場合として、

① 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき

② 非違行為を行うに至った経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき

がある。

なお、これらの標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例一覧(別紙)に掲げる取扱いを参考としつつ判断する。

第2 懲戒処分等の種類及び手続

1 懲戒処分

村長が辞令書により、職員の非違行為に対して懲罰として行う処分

(1) 免職 職員としての身分をを失わせる処分

(2) 停職 1日以上6月以下の期間、職務に従事させず、給与を支給しない処分

(3) 減給 1日以上6月以下の期間、給料の月額を10分の2以下に相当する額を給与から減額する処分。

(4) 戒告 非違行為に係る処分を確認させ、その将来を戒める処分

2 指導上の措置

監督の地位にある者が、職員の非違行為に対してその責任を確認させ、将来を戒めるために行う行為で、1に当たらないもの

(1) 訓告 村長名で文書により行う注意

(2) 厳重注意 村長名で文書によりより行う注意又は副村長が口頭により行う注意

(3) 注意 副村長又は所属長が口頭により行う注意

3 懲戒処分及び指導上の措置の手続

(1) 職員の懲戒処分を決めるときは、副村長を長としてその他の職員で委員会を構成し、事実関係を調査の上この指針に基づいて処分案を決定し、村長に報告するものとする。

(2) 懲戒処分については、処分書(様式第1号)及び処分説明書(様式第2号)により行う。

(3) 指導上の措置については、処分書(様式第1号)により行う。

第3 標準例(別紙 標準例一覧)

1 一般服務関係

(1) 欠勤

ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。

イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。

ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。

(2) 遅刻・早退

勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。

(3) 休暇の虚偽申請

病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。

(4) 勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

(5) 職場内秩序を乱す行為

ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。

イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。

(6) 虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。

(7) 違法な職員団体活動

ア 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、村の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。

イ 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、唆し、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。

(8) 秘密漏えい

ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員は、免職とする。

イ 具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏えいし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(9) 政治目的を有する文書の配布

政治目的を有する文書を配布した職員は、戒告とする。

(10) 兼業の承認等を得る手続のけ怠

営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする。

(11) 入札談合等に関与する行為

村が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すること、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。

(12) 個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。

(13) 公文書の不適正な取扱い

ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。

イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。

ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

(14) セクシャル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。)

ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部課等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。

イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患したときは、当該職員は免職又は停職とする。

ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。

(注)処分を行う際にしては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。

2 公金官物取扱い関係

(1) 横領

公金又は官物を横領した職員は、免職とする。

(2) 窃盗

公金又は官物を窃盗した職員は、免職とする。

(3) 詐取

人を欺いて公金又は官物を交付させた職員は、免職とする。

(4) 紛失

公金又は官物を紛失した職員は、戒告とする。

(5) 盗難

重大な過失により公金又は官物の盗難にあった職員は、戒告とする。

(6) 官物損壊

故意に職場において官物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。

(7) 失火

過失により職場において官物の出荷を引き起こした職員は、戒告とする。

(8) 諸給与の違法支払・不適正受給

故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は、減給又は戒告とする。

(9) 公金官物処理不適正

自己保管中の公金の流用等公金又は官物の不適正な処理をした職員は、減給又は戒告とする。

(10) コンピューターの不適正使用

職場のコンピューターをその職に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

3 公務外非行関係

(1) 放火

放火をした職員は、免職とする。

(2) 殺人

人を殺した職員は、免職とする。

(3) 傷害

人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。

(4) 暴行・けんか

暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかったときは、減給又は戒告とする。

(5) 器物損壊

故意に他人の物を損壊した職員は、停職又は減給とする。

(6) 横領

ア 自己の占有する他人の物を横領した職員は、免職又は停職とする。

イ 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員は、減給又は戒告とする。

(7) 窃盗・強盗

ア 他人の財物を搾取した職員は、免職又は停職とする。

イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。

(8) 詐欺・恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。

(9) 賭博

ア 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。

イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。

(10) 麻薬等の所持等

麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。

(11) 酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、減給又は戒告とする。

(12) 淫行

満18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対象として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、減給又は戒告とする。

(13) 痴漢行為

公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。

(14) 盗撮行為

公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。

4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係

(1) 飲酒運転

ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。

イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。

ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒をしりながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。

(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)

ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において、措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。

イ 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において、措置義務違反をした職員は、減給又は戒告とする。この場合において、措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(3) 飲酒運転以外の交通法規違反

著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(注)処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。

5 監督責任関係

(1) 指導監督不適正

部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告とする。

(2) 非行の隠ぺい、黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。

この訓令は、公布の日から施行し、令和3年4月1日から適用する。

別紙(第3関係) 標準例一覧

事由

免職

停職

減給

戒告

1 一般服務関係

(1) 欠勤






ア 10日以内



イ 11日以上20日以内



ウ 21日以上



(2) 遅刻・早退




(3) 休暇の虚偽申請



(4) 勤務態度不良



(5) 職場内秩序を乱す行為






ア 暴行



イ 暴言



(6) 虚偽報告



(7) 違法な職員団体活動






ア 単純参加



イ あおり・唆し



(8) 秘密漏洩






ア 故意の秘密漏洩



自己の不適正な利益を図る目的




イ 情報セキュリティ対策のけ怠による秘密漏洩


(9) 政治的目的を有する文書の配布




(10) 兼業の承認等を得る手続のけ怠



(11) 入札談合等に関する行為



(12) 個人の秘密情報の目的外収集



(13) 公文書の不適正な取扱い






ア 偽造・変造・虚偽公文書作成、毀棄



イ 決裁文書の改ざん



ウ 公文書の改ざん・紛失誤廃棄等


(14) セクシャル・ハラスメント






ア 強制わいせつ、上司等の影響力利用による性的関係・わいせつな行為



イ 意に反することを認識の上での性的な言動の繰返し



執拗な繰返しにより強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患



ウ 意に反することを認識の上での性的な言動



2 公金官物取扱い

(1) 横領




(2) 窃取




(3) 詐取




(4) 紛失




(5) 盗難




(6) 官物損壊



(7) 失火




(8) 諸給与の違法支払・不適正受給



(9) 公金官物処理不適正



(10) コンピューターの不適正使用



3 公務外非行関係

(1) 放火




(2) 殺人




(3) 傷害


(4) 暴行・けんか



(5) 器物損壊



(6) 横領






ア 横領



イ 遺失物等横領



(7) 窃盗・強盗






ア 窃盗



イ 強盗




(8) 詐欺・恐喝



(9) 賭博






ア 賭博



イ 常習賭博




(10) 麻薬等の所持等




(11) 酩酊による粗野な言動等



(12) 淫行



(13) 痴漢行為



(14) 盗撮行為



4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反

(1) 飲酒運転






ア 酒酔い



人身事故有り




イ 酒気帯び


人身事故有り



措置義務違反有り




ウ 飲酒運転者への車両提供、飲酒運転車両への同乗行為等

※飲酒運転をした職員の処分量定、飲酒運転への関与の程度等を考慮し決定

(2) 飲酒運転以外での人身事故






ア 死亡又は重篤な傷害


措置義務違反有り



イ 傷害



措置義務違反有り



(3) 飲酒運転以外の交通法規違反





著しい速度超過等悪質な交通法規違反


物損・措置義務違反有り



5 監督責任

(1) 指導監督不適正



(2) 非行の隠ぺい・黙認



画像

画像

新庄村職員の懲戒処分の指針

令和3年7月16日 告示第89号

(令和3年7月16日施行)

体系情報
第4編 事/第2章 分限・懲戒
沿革情報
令和3年7月16日 告示第89号